生協組合員の方なら、目にしたことがあるであろう「生協の保冷剤」
業務用途では「蓄冷剤(ちくれいざい)」と呼びますが、基本的には冷凍品の保冷用途ですので、同じ意味です。
※以下「蓄冷剤」とします。
でも同じ保冷用途とはいえ、いくつか種類があります。
今回は、生協の蓄冷剤について見ていきます。
蓄冷剤とは
蓄冷剤は大きく分けるとソフトタイプとハードタイプがあります。
ソフトタイプは、ナイロン素材の袋にジェル状の液体を包んだものが一般的で、食材購入後のお持ち帰りなど、簡易的な用途で使われることが多いです。
(ケーキなどを買うと一緒に付いてきますね)
これらは融点が0度のものが多く、氷点下を保つことは難しいです。
それに対しハードタイプはブロー成形されたプラスチック容器を使用します。
ナイロン素材などで作られるソフトタイプに比べると耐久性が高く、繰り返しの使用に向いています。
ブロー成形(ブローせいけい)、または中空成形(ちゅうくうせいけい)、吹込み成形(ふきこみせいけい)とは、プラスチックの加工法の一種。ペットボトルやポリタンクなど、中空の製品を作るのに用いられる。ブロー成形にはダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形、シートブロー成形、フリーブロー成形等があり、それぞれの用途に合せて使用される。
ブロー成型とは(Wikipedia より)
生協の蓄冷剤は、市販されている蓄冷剤と何が違う?
生協のハードタイプ蓄冷剤は、市販のものよりも低い温度のものばかりかというと、そうではありません。
例えば、弊社で取り扱っている蓄冷剤の場合、温度帯によって大きく4つに色分けしています。(受注生産の場合は、導入年度によって色分けをしたりも)
0℃→青
-16℃→透明
-19℃,-21℃→桃色
-25℃→黄色
当然ですが、完全に凍結させるためには冷凍庫内温度はそれ以上に低くないといけません。
例えば-25℃以下に蓄冷剤を凍らせるためには、冷凍庫内温度を-40℃以下にします。
家庭用の冷凍庫内温度はおよそ-18℃程度なので、生協の蓄冷剤のほとんどは、家庭用に使うのは難しいということです。
「冷凍蓄冷剤」はふたたび凍らせて再利用できるので、環境への負荷が少ないのもいいところ。ただ、完全なプロ仕様なので、ご家庭の冷蔵庫では凍りません。よってコープでは専用の業務用冷蔵庫にて、−40℃の低温で凍らせています。
051. 蓄冷剤はプロのもの | 商品調達政策|日に日にコープ。「あなたの気持ち。コープの気持ち。」 より引用
※専用の業務用冷蔵庫とは、蓄冷材凍結庫になります。
また、蓄冷剤は通常、保冷容器と一緒に使います。
設計段階から、容器の構造、使用用途、外部環境などを考慮して作りますので、それ以外の構造の容器などに使っても本体の性能は発揮できません。
生協の蓄冷剤は繊細なものであることが分かりますね。
業務用の蓄冷剤ならお任せください
株式会社シーエスエスでは、蓄冷剤および保冷ボックスの設計もしております。
試験段階から可能な限り実運用における環境の再現を目指すのがシーエスエスのモットー。
そのため、現場での不具合が少なく、お客様からのクレームも極めて少ない高品質な製品を提供しています。
相談は随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。