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保冷グッズ

温度ロガーでわかる「本当に効いている保冷容器」の見分け方と試験設計のコツ

2025.12.10

蓄冷剤凍結庫(右)

保冷容器や蓄冷剤を見直したいけれど「本当に温度が保てているか」がわからないまま、カンや経験で運用しているケースは少なくありません。

そのモヤモヤを解消してくれるのが、温度ロガーを使った「実運用に近い保冷試験」です。

グラフという「証拠」が手元にあれば、容器の入れ替えや蓄冷剤の変更も、感覚ではなくデータで判断できるようになります。

 

この記事では、コールドチェーンの現場で実施される温度ロガー試験を前提に、

  • なぜ温度ロガーによる検証が必要なのか
  • 保冷試験を設計するときの基本ステップ
  • グラフのどこを見れば「効いている」と言えるのか
  • 現場でありがちなNG試験と、その改善ポイント

を整理していきます。

 

 

なぜ温度ロガーによる検証が必要なのか

カタログや仕様書には、断熱厚や蓄冷剤の温度帯などの情報が記載されています。

しかし、

  • 実際にどれくらいの時間、目標温度帯を維持できるのか
  • 夏場と冬場で温度カーブがどれほど変わるのか
  • 積載率や開閉頻度によって温度ムラがどの程度出るのか

 

といった「現場そのものの挙動」は数字だけでは見えてきません。

温度ロガーを使えば、輸送や保管の温度変化を時間軸のグラフとして可視化できます。

これにより、

 

  • どのタイミングで温度が上がりやすいのか(積み込み時、仕分け時、配達時など)
  • 蓄冷剤の数量や配置が適正か
  • 容器をランクアップするべきか、蓄冷剤追加で解決するのか

 

といった判断をデータで行えるようになります。

 

 

温度ロガーを使った保冷試験の基本ステップ

ここでは、冷蔵品を保冷ボックスで数時間輸送するシーンを例に、試験の流れを整理します。

 

2-1. 試験の目的と条件を整理する

最初に明確にしたいのは以下のポイントです。

  • 対象商品の種類(食品、医薬品、生花、惣菜など)
  • 目標温度帯(冷蔵・冷凍 など)
  • 試験対象とする時間と環境温度
    例:冷蔵輸送で8時間後、常温で5時間保管など
  • 外気温条件(想定季節・屋外/車内温度の目安)
  • 積載率(内部の空きスペース)
  • 開閉回数(積み込み、仕分け、配達ポイントごと)

これらが曖昧だと、あとから他案と公平に比較できなくなります。

 

2-2. 温度ロガーの配置を決める

ロガーの設置位置は結果に大きく影響します。代表例は下記の通りです。

  • 容器の中心
  • 容器の上部・底部コーナー付近(外気温が侵入しやすいポイント)
  • 扉側・開口部付近(開閉の影響を受けやすい)
  • 底部付近(蓄冷剤を上部のみ配置した場合の温度伝達の確認)

温度ムラが課題の場合は、必要分の複数台を使い、位置による違いを比較することが有効です。

 

2-3. 実運用に近い形で試験する

  • 実運用と同じ積載率で詰める
  • 蓄冷剤は同じ温度帯・数量・配置でセット
  • 積み込みや仕分けの作業時間も再現
  • 試験中に予定通りのタイミングで開閉を行う

ここで重要なのは「きれいなグラフ」を作るために条件を甘くしないこと。
少し厳しい条件で試すことで、安全側の判断ができます。

 

 

グラフのどこを見る?温度データの読み方

3-1. 立ち上がりの早さと最高温度

  • 開閉直後などにどれだけ温度が跳ね上がるか
  • そのピークが一時的か、高止まりが続くか

 

3-2. 全体の平均温度と上昇傾向

  • 時間経過で徐々に上がっていかないか
  • 一度上がった温度が戻るかどうか

 

3-3. 位置による温度差(複数ロガーの場合)

  • 上部や扉付近だけ温度が高くならないか
  • 中央と端で温度カーブが大きく違わないか

温度ムラが大きい場合は、蓄冷剤配置や仕切りの追加で改善できます。

 

 

現場でありがちなNG試験と改善ポイント

4-1. 実運用より甘い条件で評価してしまう

積載量を減らしたり開閉を少なく設定しがち。
→ 現場担当と「最も厳しい状況」を共有し、それを試験に反映する。

 

4-2. 条件変更の記録が残っていない

変更点の記録が曖昧だと何が効いたのかわからなくなる。

試験ごとに、

  • 使用した容器の種類や仕様
  • 蓄冷剤の温度帯・数量・配置
  • 積載率と開閉タイミング
    をチェックシートで残すだけで比較しやすくなります。

 

4-3. グラフを見ただけで終わっている

データを見るだけでは改善に結びつきません。

  • 容器ランクアップか
  • 蓄冷剤(数量/温度帯)の見直しか
  • 開閉や作業手順の改善なのか

「次の一手」に落とし込むことが重要です。

 

 

シーエスエスが支援できること

シーエスエスでは、製品設計だけでなく「実運用を想定した温度試験」の設計から支援しています。

  • 現場条件のヒアリング(時間・外気温・開閉頻度・積載率など)
  • 温度ロガーを用いた試験計画の立案
  • 容器や蓄冷剤構成を変えたABテスト
  • 温度グラフの解釈と改善案の提示

 

「温度ロガーを使った保冷試験をやってみたい」

「今の容器が本当に最適か確かめたい」

 

という場合は、お気軽にご相談ください。

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と記載いただければ、担当よりご案内いたします。