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保冷容器

食品輸送で“温度ムラ”が起きる本当の理由と防止策

2025.06.03

冷凍輸送の温度管理のイメージ画像

~クレームを減らす現場目線の温度管理とは~

食品物流において、温度管理は「当たり前」の業務と思われがちですが、実際には“温度ムラ”による品質トラブルが後を絶ちません。

 
「冷蔵車で運んだのに一部が常温に戻っていた」「解凍されかけの冷凍食品が混じっていた」など、見えない温度変化がブランド信頼を揺るがす事態にもなりかねません。

 
この記事では、なぜ“温度ムラ”が起きてしまうのか、そして現場で実践できる防止策について、物流資材メーカーとして現場支援を行ってきた株式会社CSSが解説します。

 

 

なぜ“温度ムラ”は起きるのか?よくある3つの原因

1.【蓄冷剤の位置・凍結不足】

多くの現場では蓄冷剤を「とりあえず入れておく」という感覚で使用していますが、凍結が不十分な状態で使用すると、輸送中の温度維持ができません。また、蓄冷剤の配置場所によって冷気が届かない部分が生じやすく、この“ムラ”が発生する原因となります。

2.【容器の断熱性能の過信】

簡易保冷ボックスやスチロール箱など、短距離用の容器を長距離輸送に使い回しているケースも散見されます。外気温が高くなる夏場は特に、容器の断熱性の差が致命的となり、1〜2時間で内部温度が急上昇してしまうこともあります。

3.【積み込み・仕分け時の開封時間】

配送前の仕分け・積み込み中に、保冷容器を開けたまま長時間放置してしまうことも温度ムラの原因になります。冷蔵車内が涼しくても、ドアの開閉で冷気が逃げたり、積み下ろし作業中の待機時間で商品が温まり、配送中に冷却が追いつかない状態となるのです。

 

 

温度ムラはなぜ問題なのか?

温度ムラは、「気づかれにくいけど確実に品質を落とす」という点で非常に厄介です。

 

  • 表面は冷たいが内部が常温近くに戻っている
  • 一部の商品だけが結露・変形している
  • 再冷凍されて“品質劣化品”になる

 

このような状態は、顧客の印象を悪化させるだけでなく、衛生面のリスクやクレーム発生の温床になります。
特に、食品D2Cや生協など直接エンドユーザーに商品を届ける業態では「安全・新鮮・信頼性」が失われると、その後のリピート率やブランド評価に直結します。

 

 

現場でできる“温度ムラ”防止の3ステップ

ステップ①:用途に応じた容器と蓄冷剤を選ぶ

配送距離・時間・内容物の温度帯に応じて、適正な容器性能と蓄冷剤の温度帯(-5℃/0℃/5℃など)を選ぶことが最重要です。

 

株式会社CSSでは、

 

  • 48時間保冷が可能な高断熱容器
  • 再利用できる長時間持続型の蓄冷剤

 

などをラインナップしており、商品に応じた設計提案が可能です。

 

ステップ②:冷却ポイントの“位置”を意識する

蓄冷剤は「とりあえず底に敷く」のではなく、冷気が上から下に流れる特性を考慮し、

 

  • 上部から覆うように設置
  • 商品の間にも挿入して冷却面を増やす

 

といった配置工夫が効果的です。
また、パーティションを活用して冷蔵と常温を区分するなど、内部の温度分布の均質化も重要な対策になります。
ダミーとしての上部配置など、やり方次第で温度管理の質が左右されます。

 

ステップ③:温度ロガーで“見える化”する

温度ムラの「気づきにくさ」が問題なので、温度ロガーなどのセンサー機器を使って“見える化”することが効果的です。
物流現場では、出荷〜納品までの温度推移を記録し、問題発生時の原因特定や再発防止につなげる企業も増えています。

 

 

クレームゼロを目指すなら、“容器設計”が要になる

温度ムラをなくすには、容器の性能と運用方法の両面が重要です。
株式会社CSSでは、以下のような現場起点の提案を行っています

 

  • 使用時間・距離に応じた断熱設計
  • 容量やサイズに合わせたカスタマイズ
  • 折りたたみ可能で保管・回収も効率的
  • 衛生面・清掃のしやすさにも配慮

 

「冷蔵車を減らせた」「返品率が大幅に下がった」といった声も多数寄せられており、現場で“ちゃんと使える”物流資材として評価されています。

 

 

まとめ|温度ムラ対策は“見えない信頼”を守る一歩

食品輸送での温度ムラは、配送品質をじわじわと損なう“静かなリスク”です。しかし、適切な容器と運用によって、確実に防ぐことができます。

 
株式会社CSSでは、食品業界に特化した保冷容器の設計・販売だけでなく、導入前の無料相談や、現場見学・サンプル提供にも対応しています。

 

  • 「既存容器の性能が不安」
  • 「冷蔵便のコストを抑えたい」
  • 「返品・クレームを減らしたい」

 

そんな課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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