年々暑さが増し、自治体や学校でも熱中症対策は急務です。中でもネッククーラーの配布は、手 軽で効果的な取り組みとして注目されています。
ただ、「何本用意すればいい?」「どうやって冷やし続ければいいの?」といった運用上の課題も 多いもの。
この記事では、スムーズに配布を進めるための計画づくりから、冷却剤の管理、当日の動線設計 までをわかりやすく整理します。
まず決めるべき3つの項目
最初に決めておくと計画が立てやすくなります。
・1日の最大配布数(例:通学児童1,000人、イベント参加者2,000人など)
・1回の使用時間(例:通学30〜40分、屋外イベント60分など)
・1人あたりの交換回数(予備カートリッジを何本持たせるか)
これらが決まると、必要数の見積もりが可能になります。
例:参加者2,000人・交換1回 → 保冷剤は4,000個必要。
そこから凍結場所・運搬体制・人員配置を設計していきましょう。
冷却剤の選び方と扱い方
使用環境や対象者に応じて、適切な冷却剤を選びましょう。
肌に直接触れる部分は冷えすぎによるトラブルを防ぐため、 カバーを付けるか、タオルやハンカチを介して使うのが基本です。
温度特性や成分が異なる製品もあるため、調達前に必ずメーカーや販売元に確認しましょう。
特に医療・医薬用途の製品とは仕様が異なる場合があります。
冷却・配布の3つの運用パターン
現場環境(電源・冷凍庫の有無)に合わせて最適な方法を選びます。
A. 家庭で凍らせてもらう(学校・地域配布向け)
・配布物:本体1本、予備カートリッジ2本、使用ガイド
・当日:忘れ物や凍結不足に備え、学校や会場に“予備凍結ステーション”を設けておくと安心です。
B. 会場でまとめて凍らせる(大規模イベント向け)
・事前に専用冷凍庫で大量凍結し、保冷ボックスで搬入。
・当日は「配布→回収→再凍結」のサイクルを円滑に回す動線設計がポイント。
C. 車で巡回する(広域イベント・屋台型)
・車載保冷ボックスで移動しながら交換対応。
・開閉を最小限にし、直射日光を避けて温度を保ちましょう。
配布と回収をスムーズにする工夫
・事前セット:本体と交換用カートリッジを“1人分パック”にしておくと配布が速い。
・回収動線:出口付近にボックスを設置し、サイズや種類で色分けして回収。
・掲示・アナウンス:使用時間の目安や「長時間直接肌に当てない」などの注意を明示。
安全に使うためのポイント
・直接肌に当てる際は、必ずカバーや布を介して使用する。
・「冷えすぎ」と感じたらすぐに外す・位置をずらすなどして調整する。
・乳幼児・高齢者・体調に不安のある方は、短時間・見守り下で使用。
・回収品は再利用前に外観や清潔さを必ず確認。
シーン別 運用例
学校(通学時間30〜40分)
・配布物:本体+交換用カートリッジ+家庭向け説明書
・体制:学校に小型冷凍庫を1か所設置して予備を管理。
屋外イベント(炎天下60分)
・事前にまとめて凍結し、保冷ボックスで搬入。
・30〜60分ごとに交換タイミングをアナウンス。
よくある課題と対策
・「冷たすぎた」→ 布を介して使用、または使用時間を短く。
・「凍結が足りなかった」→ 予備を当日分も冷凍しておく。
・「在庫が混ざった」→ 色ラベル・サイズ別仕分けで区別。
・「行列ができた」→ 複数レーンと事前パッキングで対応。
学校での最新の取り組み(参考)
・愛知県常滑市・瀬戸市:全小学校に冷凍庫を設置し、登下校時の熱中症対策を強化。
参考:https://tokoname.schoolweb.ne.jp/2310113/weblog/130168261?tm=20250901094921&utm_source=chatgpt.com
・岐阜県美濃加茂市:各クラスに冷凍庫を配置し、下校前に再凍結できる体制を整備。
参考:https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/592234?utm_source=chatgpt.com
準備チェックリスト
☑ 最大配布数・使用時間・交換本数を決定
☑ 配布方式(家庭凍結/会場凍結/巡回)を選定
☑ 冷凍・保管スペースを確保
☑ 配布・回収の動線・人員体制を設定
☑ 使用マニュアル・注意掲示を準備
☑ 回収ボックス・色ラベルを用意し在庫管理を徹底
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