冷凍品と冷蔵品を、ひとつの箱にまとめて送りたい。
ECサイトの利便性向上や、ミールキットの普及、さらには店舗間配送のコスト削減など、最近このようなご相談をいただく機会が非常に増えています。
しかし、いざ実践しようとすると、冷蔵品が凍ってしまった、冷凍品が柔らかくなっている、外装が結露でベコベコに……といったトラブルが後を絶ちません。
2温度帯(冷凍・冷蔵)の同梱を成功させる鍵は、単なる保冷ではなく、箱の中に異なる環境を作る構造設計(ゾーニング)にあります。今回は、失敗しないための設計の原理と、具体的な解決策を整理して解説します。
なぜ2温度帯の同梱は難しいのか?
2温度同梱が難しい最大の理由は、ひとつの密閉空間の中に、全く異なる性質を持つ環境を同居させなければならないからです。
・冷凍ゾーン:0℃を大きく下回る温度を維持する
・冷蔵ゾーン:氷結させず、一定の温度帯(例:2〜8℃)を維持する
この2つが隣り合うため、対策を怠れば必ず温度の干渉が起きます。
さらに実際の物流現場では、積み替え時の外気温の変化や、配送時間のブレ、ドアの開閉といった変動要素が容赦なく襲いかかります。
つまり、2温度同梱は保冷剤を多めに入れるといった現場の工夫ではなく、物理的に温度を分ける構造で解決する必要があるのです。
現場でよくある3つの失敗パターン
設計が甘いと、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。
- 冷蔵品が凍結してしまう もっとも多い失敗です。仕切り材の断熱性能が低かったり、隙間から冷気が漏れたりすることで、冷蔵ゾーンの温度が下がりすぎてしまうケースです。
- 冷凍品が緩む(昇温) 冷蔵側の熱が冷凍側に伝わったり、そもそも冷凍ゾーンの断熱・蓄冷力が不足していたりする場合に起こります。品質劣化に直結するため、非常に危険です。
- 結露によるパッケージの損傷 温度差があるところには、必ず結露が発生します。内装材の選定や、吸水・排水の仕組みを考えておかないと、お客様の元へ届く頃には外箱がふやけて、商品価値を大きく下げてしまいます。
2温度分離を成立させるシーエスエスのアプローチ
これらの課題を解決するために、シーエスエスでは運用に合わせた構造を提案しています。
方法A:
2温度分離シートでゾーンを仕切る もっとも基本的かつ効果的なのが、箱の内部を物理的に遮断する方法です。シーエスエスの2温度分離シートは、単なる仕切りではありません。高い断熱性能はもちろん、隙間を作らない構造にすることで、ひとつの箱の中に冷凍庫と冷蔵庫を共存させます。商品構成に合わせた容量比率の最適化が成功のポイントです。
方法B:
専用の2温度・3温度対応ボックスを導入する 配送頻度が高い、あるいは運用を標準化したい場合は、最初から多温度帯に対応した専用ボックスの設計がベストです。
玄関先での見栄えや、作業者の扱いやすさなど、温度管理以外の付加価値も同時に設計に組み込むことができます。
方法C:
容器の入れ子(重ね入れ)構造 サイズの異なる容器を組み合わせる手法です。発送量の変動が大きい場合や、特定の少量商品だけ温度帯を変えたい場合に柔軟に対応できるメリットがあります。
蓄冷剤は冷やす道具ではなく温度を作る部品
2温度管理において、蓄冷剤の役割は極めて重要です。
シーエスエスでは、0℃ / -16℃ / -19℃・-21℃ / -25℃ といった細かな温度帯の蓄冷剤をラインナップしています。
・冷蔵ゾーン:冷やしすぎない適切な温度帯の蓄冷剤を選択
・冷凍ゾーン:冷凍状態を維持できる強力な温度帯を選択
これを壁面、天井、床面のどこに配置するか。
対流の影響まで計算して配置を決めることで、初めて安定した2温度管理が可能になります。
導入前に確認したい要件整理チェックリスト
失敗しない設計のために、まずは以下の条件を言語化してみてください。
・商品構成:冷凍・冷蔵・常温の具体的な品目とボリューム
・目標温度:許容できる温度範囲(例:5℃±3℃以内など)
・配送時間:最長で何時間保持する必要があるか(遅延リスクも考慮)
・外気条件:夏場の直射日光や、留置きの有無
・運用フロー:1日あたりの配送件数や、容器の回収・再利用の有無
まとめ 2温度は構造次第!
冷凍と冷蔵の同梱は、単に保冷力を強める作業ではありません。
仕切り × 蓄冷剤 × 運用条件を掛け合わせ、箱の中に最適な環境をデザインする作業です。
「この構造で、本当に品質を維持できるだろうか?」
そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ一度シーエスエスにご相談ください。
現場の状況に合わせた最適な構造を一緒に作り上げましょう。
