「トラックの荷台に、あと少しだけ積めればいいのに」
「保冷容器を載せると、中途半端な隙間ができてしまう」
「段積みしたいが、下の容器から商品を取り出せない」
冷蔵・冷凍商品の物流では、温度を維持することはもちろん重要です。
しかし、日々の配送量が増えてくると、「保冷できるか」だけではなく、「限られた荷台にどれだけ効率よく積めるか」も大きな課題になってきます。
特に既製品の保冷容器を使用している場合、容器そのもののサイズが車両や商品に合っておらず、知らないうちに荷台のスペースを無駄にしていることがあります。
今回は、物流効率という視点から、保冷容器のサイズや構造を見直す際のポイントをご紹介します。
物流では「どれだけ積めるか」がさらに重要に
物流業界では現在、積載効率の向上が国全体の課題となっています。
2025年度から、物流効率化法に基づき、すべての荷主・物流事業者に対して「積載効率の向上等」「荷待ち時間の短縮」「荷役等時間の短縮」に取り組む努力義務が課されています。
さらに国は、物流効率化に関する目標として、全体の車両における積載効率を44%まで高めることを掲げています。
もちろん、積載効率を高める方法は一つではありません。配送回数や納品日の集約、共同配送、配車の見直しなど、物流全体で考える必要があります。
一方で、日々使用している「荷姿」も見直したいポイントの一つです。
国が示している荷主向けの判断基準でも、荷役時間短縮のために、パレットやロールボックスパレット(カゴ車)などの輸送用器具を活用することや、出荷時の積み方・荷姿を想定した生産や荷造りを行うことが挙げられています。
では、保冷商品を運ぶ場合は、どのようなところを確認すればよいのでしょうか。
① 車両と保冷容器の寸法は合っているか
最初に確認したいのが、車両の荷室寸法と保冷容器の外寸です。
例えば、容器の幅があと数cm小さければ横にもう1個並べられる、あるいは高さを調整すればもう1段積める、といったケースがあります。
一つの容器ではわずかな差でも、1台の車両、1日、1年間と積み重なると、配送できる商品量に違いが生まれる可能性があります。
そのため保冷容器を選ぶ際には、「商品が入るサイズ」だけで考えるのではなく、
- 使用する車両の荷室寸法
- 1回に運ぶ容器の数
- カゴ車や台車のサイズ
- 積み込み、取り出しの方向
まで考えて設計することが大切です。
② 「段積みできる」だけでなく、取り出しやすさも考える
荷台の高さを活用するには、保冷容器を段積みできる構造が有効です。
ただし、単純に積み重ねられればいいとは限りません。
上の容器を一度降ろさなければ下の商品を取り出せない構造では、配送先ごとに積み替え作業が発生し、現場の負担が増えてしまいます。
例えば、上面だけでなく正面から開閉できるようにすれば、段積みした状態でも中の商品を取り出しやすくなります。
シーエスエスでは、段積みしても崩れにくいスタッキング構造の保冷容器や、正面に開閉部を設けた運送車両用ボックスなど、実際の配送作業まで考えた製作にも対応しています。
③ 容器の「中の隙間」も見直す
見落とされやすいのが、保冷容器内部のスペースです。
既製品の容器に商品を入れた結果、上部や側面に大きな空間が残っていれば、その分だけ容器が大きくなっている可能性があります。
一方、単純に容器を小さくすればよいわけでもありません。
保冷容器の場合は、商品だけでなく蓄冷剤の配置や必要量、空気の流れ、断熱材の厚みなども考える必要があるためです。
「外寸を小さくしたら、必要な保冷時間を維持できなくなった」では意味がありません。
商品寸法、配送時間、必要温度帯、蓄冷剤などを含め、実際の使用条件に合わせて調整することが重要です。
④ 帰り便や倉庫での保管まで考える
配送が終わった後のことも忘れてはいけません。
リユースする保冷容器の場合、商品を届けた後は空になった容器を回収します。
空の保冷容器が荷台を占有してしまえば、帰り便で別の商品を積みにくくなります。また、物流センターや店舗に大量の空容器を保管する場合には、保管スペースも必要です。
こうした場合は、折り畳み式の保冷容器にすることで、未使用時や回収時の容積を抑えられる可能性があります。
シーエスエスでも、軽貨物車用をはじめ、折り畳みに対応した保冷ボックスの製作実績があります。
保冷容器は「冷やす箱」だけではありません
保冷容器を選ぶ際、どうしても「何℃を何時間維持できるか」という性能に目が向きがちです。
しかし実際の物流現場では、
- 車両に何個積めるか
- 積み降ろししやすいか
- 配送途中で商品を取り出しやすいか
- 空になった容器をどう回収するか
といった運用面も、物流効率を左右します。
既製品を使っていて「なぜか積みにくい」「無駄な隙間が多い」「現場から使いづらいと言われている」と感じている場合、問題は車両ではなく保冷容器の形状やサイズにあるかもしれません。
株式会社シーエスエスでは、保冷性能だけでなく、使用する車両や台車、商品の大きさ、積み方、取り出し方など、実際の運用環境を確認したうえでオーダーメイドの保冷容器を設計しています。
試験についても、可能な限り実際の運用環境を再現して実施しています。
「今の保冷容器を使い続けるべきか、一度見直した方がよいのか分からない」という段階でも構いません。
現在の配送方法やお困りの点をお聞かせいただき、より使いやすい保冷運用を一緒に検討いたします。
